出産 立ち会い

一花(いちか)女の子 三ヶ月

妊娠、出産、育児、女性は大変なもの。男としてわかってはいるものの決して体験できないものが多い。”大変だろうな” ”痛いんだろうな”とか頭の中で理解しているつもりでも、それはつもりであって、同じ経験をすることができない自分にとっては一生わからないことだ。

妻は県外の人だが、自分の希望もあったので徳島県内の産婦人科にかかることになった。自分は会社務めではないし、時間的な自由もあるのでなにかあった場合、なにもなくとも人よりかは、寄り添っていられることが多いのも大きな理由のひとつだった。

そうして予定日も近づいてくる中で、先生から”赤ちゃんの動きが少し鈍い” ”赤ちゃんが思ったほど大きくなっていない”とか不安なことを言われた、”お腹の中にいる以上何もできないので少し早めに出した方がいいかもしれない”と先生が言うのでこちらとしては従うしかない。予定日より少し早いが促進剤を施し出産する運びとなった。

立ち会いに関しては妻と相談したが、どちらでもよいと言うことであったし、自分としても少し怖かったので見送るつもりでいた。

が、促進剤を打って当日のこと病院から連絡があり、やはり来てほしいとのこと。急いで病院へ向かい急遽立ち会う運びとなった。

そこには苦しんでいる、頑張っている妻。そして頑張って生まれてこようとする赤ちゃん。助産師さん。先生。みんな頑張っている。自分はと言えば妻の傍らに立って腰をさすって上げることしかできない・・・。不甲斐ない・・・。”でも頑張れ!” ”赤ちゃんも妻も頑張れ!”と願いながら腰をさすった。ひたすらさすった。

これらのことを言葉で表現することは難しい。自分の語学力のなさもあるかもしれないが、今の自分では表現のしようがない。元気な産声とともに小さな命が誕生した。意外に大きく2745gの元気な女の子だった。

つまるところ先生の取り越し苦労であったのだが、あまり不安にさせるようなことは言わないでほしかった・・・。結果的にそのおかげもあって喜びもヒトシオであったし、安堵感も大きかった。まあ結果オーライであるのかもしれない。

今のところ元気に育っているし、標準かそれより少し大きいぐらいだ。これを書いている現在は4ヶ月になる。

時間的な都合や仕事の都合でなかなか出産に立ち会うことができないお父さんも多いと思う。でももし可能であれば是非出産には立ち会ってほしいと思う。少なくとも自分にとっては人生で一番感動した瞬間だった。

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